平成30年 監査委員活動報告

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皆様には県政報告会および紙面にてお伝えさせていただいておりますが、2018年5月より県議会本会議での同意の議決を経て、神奈川県知事より神奈川県監査委員に選任されました。

皆様に森正明がどのような職務をしているのかを知って頂きたいと思いますので、監査委員の活動報告について、昨年、紙面にてまとめたものを掲載させて頂きます。

 

 

 

神奈川県監査委員 森 正明 活動報告

① 監査委員への就任

議員のうちから選任される監査委員(議選委員)の交代があり、地方自治法第196条第1項の規定により、平成29年5月23日に県議会本会議での同意の議決を経て、知事から神奈川県監査委員に選任されました。


② 監査委員の役割

監査委員は、県の行財政運営について、適法に行われているかだけでなく、最少の経費で最大の効果を上げているか、組織及び運営の合理化に努めているかなど、経済性、効率性、有効性の視点から、知事から独立した立場で監査しています。

監査の結果については、県公報などで県民の皆さんにお知らせするとともに、議会及び知事等に提出しています。

また、年度ごとの決算、財政の健全化判断比率等について、監査委員は審査を行い、意見を知事に提出しています。


 ③ 定期監査業務

公正で効率的な県の行財政運営の推進を促すため、財務執行の合規性の観点から、不適切な事案の有無を点検するとともに、ストック(資産)や人件費なども含めてコストを意識した事業執行がなされるよう、事務の合理化・効率化などの観点から、予算の執行権を有する全ての県の機関(年間で566箇所)に対して監査を実施し、不適切事項や要改善事項の指摘を行うとともに、必要に応じてアドバイスや要望等を行っています。監査の結果、566箇所のうち112箇所で、153件の不適切事項・12件の要改善事項が認められました。


④ 平成29年定期監査結果報告書等提出

 平成29年10月42日に、平成29年定期監査結果報告書等を知事に提出しました。代表監査委員が定期監査結果報告書及び決算審査意見書の内容を説明するとともに、監査委員一人ひとりが定期監査における所感事項(監査で強く印象に残っている事柄など)を説明し、知事と意見交換を行いました。

 

 

【監査結果報告書知事提出 監査委員 森 正明 発言】

「東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会に向けた取組についてリオ五輪視察の成果をいかにして神奈川で発揮できるかということが一番のポイントである。セーリング競技は、自然環境や景色を捉えたコース取りが重要であること、また、選手がゴールに戻ってきたときに気持ちよく迎える応援する側の姿勢についても視察で勉強してきたと思うので、その成果を出して取り組んでいただきたい。また、事前キャンプの働きかけなども含めて、様々な方法について考えながら、神奈川県の総力をあげて取り組んでいただきたい」


⑤ 決算審査業務及び住民監査請求対応業務

〇監査委員は、知事が、毎会計年度、議会へ提出する決算関係書類について各会計の決算書などの数値に誤りがないか、予算管理及び決算整理が的確に行われているか等について事前に審査を行い、意見書を提出します。知事は、決算関係書類に監査委員の意見を付けて議会に提出します。

〇また、住民監査請求(県民が知事や県職員による違法若しくは不当な公金の支出、財産の取得や契約の締結、公金の賦課・徴収を怠る事実などがあると認めたとき、これらを証明する書類を添えて、監査委員に監査を求め、その行為の防止や是正、損害補填などの必要な措置を求めるもの)に基づく監査を就任以来10件行いました。


⑥ 平成30年度の県の事業について

○監査委員としては、平成30年度予算の執行状況については、平成31年に監査を実施します。

○平成30年度の県の事業執行については、県の総合計画である「かながわグランドデザイン総仕上げ」として、「いのち輝くマグネット神奈川」の実現に向けて、計画に掲げるプロジェクトを着実に推進するための予算が編成されています。( 一般会計 当初予算額 1兆8,328億余円)

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※参考/かながわグランドデザイン第2期実施計画 概要版から抜粋

 ○そのうち、経済面では、「ラグビーワールドカップ2019や東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会に向けて観光誘客の取組みを強化するとともに、中小企業等の持続的発展の取組みや企業誘致を着実に推進することで、神奈川から経済のエンジンを回していく」こととしています。

○具体的な「経済のエンジン」を回す施策としては、次のとおりです。

6-1「中小企業・小規模企業活性化の推進」…
「攻めの経営」を促進するとともに、経営状況が下降する前に企業自らが必要な対策を講じられるよう、県が早い段階からサポートすることで中小企業・小規模企業の持続的発展を図る。

6-2「産業集積の促進と海外との経済交流の促進」…
「セレクト神奈川100」(平塚市内からは2社 : ジンマー・バイオメット(同)、太洋テクニカ(株)のほか、セレクト100の対象外だが1社 ハマヤ(株))等により市場の創出や拡大が見込まれる成長産業の企業等の立地を促進するとともに、海外展開を目指す企業に対してニーズに応じた効果的な支援を実施し、県内経済の活性化を図る。

6-3「農林水産業の活性化」…
新鮮で安全・安心な食料を将来にわたって県民に安定的に提供するための様々な対策を講じることで、農林水産業の活性化と持続的発展を図る。

6-4「行ってみたい神奈川の観光魅力づくり」…
ラグビーワールドカップや東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会に向けて、国内外から多くの観光客を誘致するとともに、地域の文化資源を活かして賑わいを創出することにより、人を引きつける魅力ある神奈川づくりを加速化する。

6-5かながわスマートエネルギー計画の推進」…
太陽光をはじめとする再生可能エネルギー等の導入加速化、水素エネルギーの導入拡大及び省エネルギーの促進とスマートコミュニティの形成に取り組み、地域において自立的なエネルギーの需給調整を図る「分散型エネルギーシステム」の構築を目指す。

6-6「さがみロボット産業特区」…
「ロボットと共生する社会の実現」のため、ロボット関連産業の創出・育成に向けた特区の取組みの「見える化」を推進し、あらゆる分野で生活支援ロボットが活用されるロボットと共生する社会の実現を目指す。(対象地域 : 相模原市・平塚市・藤沢市・茅ヶ崎市・厚木市・大和市・伊勢原市・海老名市・座間市・綾瀬市・寒川町・愛川町)

○県内自治体の「オリンピック・パラリンピック」関係の開催・誘致としては、次のとおりです。

○県内開催としては、江の島ヨットハーバー、横浜スタジアム及び横浜国際総合競技場がセーリング、野球/ソフトボール、サッカーの競技会場として承認されました。

○県内全市町村と連携し、全国に先駆けて「神奈川2020事前キャンプ誘致等委員会」を立ち上げ、事前キャンプの誘致に積極的に取り組んでいます。

○これまで、平塚市がリトアニア共和国と事前キャンプに関する協定等を締結(平成28年10月)したほか、県は、エリトリア国、ブータン王国、カナダ、そしてミャンマー連邦共和国などと協定を締結しました。

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○また、平塚市は、リトアニア共和国のホストタウンとして、内閣府において登録されています。(ホストタウンとは……2020年の大会開催に向け、スポーツ立国、グローバル化の推進、地域の活性化、観光振興等に資する観点から、参加国・地域との人的・経済的・文化的な相互交流を図る地方公共団体)

参考/神奈川2020事前キャンプ誘致等委員会が紹介している平塚市内の競技施設
・平塚市総合公園(ShonanBMWスタジアム平塚)
・湘南ベルマーレひらつかビーチパーク by shonanzoen
・馬入ふれあい公園(馬入サッカー場)

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神奈川県監査委員 森 正明 監査実績

平成29年5月23日の監査委員就任から本年4月末までの間に、146箇所の監査を実施。

●スポーツ局監査における要望

○ スポーツをする・見る・支える取組を県民に周知し、実践していくこと。

○ セーリングのリオオリンピック視察の結果を広く公表し、1ヵ国でも多くの事前キャンプの誘致を実現すること。

○ 平塚市のリトアニア共和国事前キャンプ以外にも、戦略をもって誘致を進めていくこと。

○ 湘南港の施設所有者として、地元自治体や漁業関係者との調整や準備を進めて、大会を成功させること。

●環境農政局監査における要望

○ 中小規模事業者の省エネルギーのサポート事業について、横浜市だけに留まらず、他の市町村の商工会議所等を通じて広く協力依頼すること。

○ 鳥獣被害対策支援センター(平塚合庁内)を中心に、地域性や対応する鳥獣の性質等を読み取り、短・中長期の課題に対して効率のいい対応をすること。

●産業労働局における要望

○ さがみロボット産業特区について、関連企業の立地を積極的に行い、新たなステージに進めていくこと。

○ 企業誘致推進補助金を用意したセレクト神奈川100により、神奈川を選んでもらい、県外・国外から企業を誘致すること。

○ 外国人観光客の誘致に向けて、観光資源の磨き上げ・プロモーション・受入環境の整備を多言語で積極的に行うこと。

○ 現在、友好提携等を行っていない自治体も含めて、スポーツや水道事業などの県の施策をPRして、扉を広げていくこと。

○ 燃料電池車の普及(2020年目標5000台)と水素ステーション設置(現在12箇所、2020年目標25箇所)について、補助金を出しながら、積極的に取り組むこと。(政令市以外では現在、伊勢原市・藤沢市・海老名市に各1箇所のみ)

●湘南地域県政総合センター(平塚市)監査における発言)

○ カラス農業被害対策について、捕獲は各市町が行うとのことであるが、県も技術的支援を含めて、いろいろな意味で協力をしていくこと。


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